”キレル” 高齢者4倍に増加。本当か?
こんにちは、ガーベラです。
今回紹介するニュースは、こちら。
65歳以上の暴行摘発件数が、10年前から4倍超に激増している。
というニュース。
ニュース概要
65歳以上の人の犯罪(特に暴行)が4倍も増加しているよ。
原因は、高齢者を取り巻く社会構造の変化によるものがあるんじゃないの?
ということ。
本当にそうなのか?
高齢者が4倍も狂暴になっているのでしょうか。
私が田舎住まいの影響もあると思いますが、あまりそういう印象はありません。
本当に、狂暴化しているのか? 確認してみました。
検証① 65歳以上の人口割合の推移
まず、人口推移の割合です。高齢者が増加すれば、それだけ暴行件数も増加します。
平成17年:20.2%
平成27年:26.6% (31.9%増加)
参考)総務省統計局 統計局ホームページ/日本の統計 2017−第2章 人口・世帯
データが少しだけ古いですが、平成17年から27年にかけては31.9%高齢者人口が増加しています。
検証② 暴行検挙 件数の推移
続いて、暴行件数(検挙件数)の推移です。暴行件数自体が社会として増加しているのであれば、高齢者だけの問題ではありません。
平成17年 13,703件
平成27年 25,210件(84.0%増加)
高齢者関係なく全体として、84%も増加しています。
検証③ 健康寿命の推移
元気な高齢者も増えています。健康寿命(健康上の問題がない状態で生活できる年齢。)の推移も見てみます。
平成14年 69.47歳(男性)、72.69歳(女性)
平成25年 71.19歳(男性)、74.21歳(女性)
65歳から健康寿命までの人が暴行できると無理やりな仮定をした場合、
男性は38.5%、女性は19.8%増加しています。
男女比1:1と仮定すれば 29.1%増加です。
まとめ
これまでの、結果を掛け合わせてみると
高齢者人口増加率(1.319)×暴行検挙増加率(1.840)×健康寿命増加率(1.291)
= 3.13倍
高齢者自身の要因以外で3.13倍増加しているということです。
つまあり、高齢者自身の要因では
1.28(=4÷3.13)
28%は高齢者が狂暴化しているという計算となります。
結論
高齢者の暴行件数が増えていることは事実です。
ただし、高齢者が狂暴になっているという要素よりも、元気な高齢者の人口が増え、日本全体として暴行件数が増加していることによる影響の方が大きいといえます。
もちろん、他の要因も色々あると思いますが、
「高齢者を対象に狂暴化している」というニュースにするよりも、日本として暴行件数が増加していることを問題にすべきと思ったニュースでした。